瀧善三郎の切腹の場に立会った笹岡八郎が明治35年から同38年のあいだに執筆、遺稿のなかに埋もれていたのを子孫の春太氏が発見し、改写したとされる。切腹の前に瀧善三郎が宿泊した宿の名前が「兵庫一件始末書上」と異なるなど疑問点がある。
「御津町史料第四集 神戸事件と滝善三郎編」および「御津町史」に収録されている。後者には成立過程を述べた篠岡春太氏の小序が掲載されていない。
▲説明は終り・たたむ
(2)外国人の回想録と日記
A Diplomat in Japan; the inner history of the criticial years in the evolution of Japan when the ports were opened and the monarchy restored
Satow,Ernest Mason ,London, Seeley, Service & co. limited, 1921年刊
書誌はLibrary of Congress Online Catalogによった。ただし、参照したのは、Stone BridgeとYohan版による。 2006 Stone Bridige Press.
英使サトウ滞日見聞記維新日本外交秘録
A Diplomat in Japanの邦訳。
維新史料編纂事務局 訳編、維新史料編纂事務局、1938年刊
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遠い崖-アーネスト・サトウ日記抄-/6
萩原延壽著、朝日新聞社、2007年刊
【補足】書誌確認は文庫版による。「遠い崖」は全14巻
一外交官の見た明治維新/下
A Diplomat in Japanの邦訳。
アーネスト・サトウ著、坂田精一訳、岩波書店、1960年刊
サトウの記述は時々上司であるパークスが外務省に報告したものと異なったり、他の外交官の行動に関して推測と思われるものがある。「ドイツ公使の見た明治維新」などで補いながら読むのが望ましい。
英国外交官の見た幕末維新 リーズデイル卿回想録-講談社学術文庫 The Garter Mission to Japanの邦訳。A.B.ミットフォード、永岡祥三訳、講談社、1998年刊
ある英国外交官の明治維新 ミットフォードの回想
ヒュー・コータッツィ(Hugh Cortazzi)著、中須賀哲朗訳、中央公論、昭和61年刊
ミットフォードの回想録をもとに書かれた著述であるが、英国公使パークスの公文通信などが引用されており、個人の回想をある程度補正できる。
ドイツ公使の見た明治維新
M.v.ブラント著、岡潔・永岡敦訳、新人物往来社、昭和62年刊
外国公使団が神戸居留地に居を移す経緯や衝突前後の状況は類書のなかでは比較的正確だと思われる。
ポルスブルック日本報告 1857-1870 -オランダ領事の見た幕末事情-
ヘルマン・ムースハルト編著、生熊文訳、雄松堂、2007年刊
駐日オランダ領事ポルスブルックの日記と手紙の一部を訳出したもの。解説がある。神戸事件及び瀧善三郎の切腹に関する外務大臣への報告が手紙十六・十七(ページ214から225)として掲載されている。
c.県史・市町村史
(1)岡山県内
備前略史/巻之2
成田元美編、岡山県、明治10年
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岡山県御津郡誌
御津郡教育会、大正12年刊
御津郡町村会により、「御津郡誌(明治39年刊)」との合本として昭和47年復刊。当サイトで参照しているのは、復刊版。引用頁は復刊版のものである。
岡山県通史/下
永山卯三郎編、岡山県通史刊行会、昭和5年岡山県刊。昭和46年、同51年復刻。当サイトで参照しているのは、昭和51年復刻版。
岡山県史/第9巻 近世Ⅳ
岡山県史編纂委員会、昭和64年
【補足】神戸事件についての記述はないが、幕末の岡山藩の兵制整備についての記述を参照した。
岡山県史/第10巻 近代Ⅰ
岡山県史編纂委員会、昭和60年刊
金川町史
【補足】「高須七兵衛聞書」など日置家側の記録が収録されている。
板津謙六著、金川町史編集委員会刊、昭和32年刊
御津町史
御津町史編纂委員会編、御津町、昭和60年刊。
【補足】同前。
金川ものがたり 郷土史
内田誠也編、御津町金川地区活性化推進協議会、平成14年刊
倉敷市史/第七冊
永山卯三郎編、名著出版、昭和48年刊
同書は倉敷市史刊行委員会により、昭和36年から同39年に刊行された。参考にしたのは名著出版による復刻版である
【補足】池田貞彦(池田伊勢)奉公書に神戸事件前後の記録あり。
新修倉敷市史第3巻
倉敷市史研究会編、山陽新聞社、2000年刊
(2)岡山県以外
兵庫県史/通史編第5巻 近世編3 幕末維新
兵庫県史編集専門委員会、昭和55年刊
兵庫県史/史料編 幕末維新2
兵庫県史編集専門委員会、平成10年刊
神戸事件の解読文書が多く収録されている。維新史料稿本を典拠としているので、池田家文庫のものと若干異なる部分がある。
神戸市史/本編総説
神戸市編・刊、大正10-14年刊。昭和12年に再版。昭和46年に名著出版により復刊。
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神戸市史/本編各説
神戸市編・刊、大正10-14年刊。昭和12年に再版。昭和46年に名著出版により復刊。居留地及び各国公使館など開港時の神戸の状況が記述されている。
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神戸市史/附図
神戸市編・刊、大正10-14年刊。昭和12年に再版。昭和46年に名著出版により復刊。
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【補足】開港時の神戸絵図などが閲覧できるが、モノクロである。印刷版は色刷り。
明石市史/上巻
黒田義隆著、明石市、昭和35年刊。昭和47年、平成4年に復刊。参照したのは復刊版。
ひょうご全史 -ふるさと7万年の旅-/下
神戸新聞「兵庫学」取材班編、2006年刊
山田村郷土誌
福原潜次郎編、山田村、大正9年刊
【補足】事件勃発の夜、旧山田村に備前藩兵が現われた。池田伊勢の一隊と思われる。
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西宮市史/第2巻
魚澄惣五郎編、西宮市、昭和35年刊
池田伊勢が宿営した六湛寺如意庵について
新修芦屋市史/本篇
芦屋市教育委員会刊、昭和31年
打出陣屋について
本山村誌
本山村誌編纂委員会編・発行、昭和28年
【補足】旧森村を村域に含め、森村に宿営した日置隊について知ることができる。なお、瀧善三郎の遺骨が森共同墓地に埋葬されたことが記されている(岡山・京都とあわせて3箇所に分骨されたことになる。)
武庫郡誌
武庫郡教育会編纂・発行、大正11年刊。
参照したのは中央印刷出版部による複製(1973年刊)
深江村正壽寺について記述。
北宇和郡誌/前編
愛媛県教育協会北宇和部会編、関和洋紙店印刷部、大正6年刊。須藤但馬の履歴調査。
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