襲撃するなどとの考えは毛頭ありませんでした。しかし、その場の勢いで自然に弾丸が飛んでいったかどうかは分らない、と右事件に関係した隊長達から報告がありました。このことを申上げ奉ります。
二月朔日備前少将内
日置帯刀
[〇発砲号令の者を罪科に処すので早急に差出すようにという命令書]
別紙
日置帯刀へ
先月十一日、神戸通行の際、外国人へ兵刃を加え、発砲するに至った件について、公法を以て御処置されるということは、お達しの通りである。
現在の筆舌に尽くしがたい多難の時期に、些細な事件から、国家の安危に係わる大害をも引き起こし、例のないような大事に至ることがある。
そのことを踏まえて議論をまとめ、天皇のご判断を仰いだ上、発砲を号令した者を処罰されることになった。ついては、早々に差し出しすよう仰せ付けられた。そのことが、皇国の大事であることを十分に認識し、天皇のお心を安んじ奉るべきである。
二月
【補注】

二月: 次頁の最初の二行を含む。