Léon Roched。幕末から明治にかけての駐日フランス大使。全権公使兼総領事。
【日本に着任するまで】
1809年 グルノーブル生れ。
1832年 アルジェリアに渡り、アラビア語を学び、イスラム教徒となる。アルジェリアを治めるアブデル・カデルの側近となった。のちフランス軍の通訳官となり、49年タンジールの領事に任命されるまで軍籍にあった。
1857年 在チュニス総領事、代理公使。
【日本での活動】
1864年(元治1) 56歳で全権公使として江戸に赴任した。長州藩に対して強硬論を唱えるイギリス公使オールコックと対立し、幕府に接近、初代フランス公使ベルクールと意見が合わず帰国していたメルメ・ド・カションを起用して幕府を援助、横須賀製鉄所、横浜フランス学校を開かせたり軍制改革に助力したりした。王政復古に当たっては徳川慶喜に軍資・武器の提供を申出て再挙を勧め断られた。68年(明治1年)帰国命令を受けフランスに戻り再び公職には就かず、32年間のイスラム世界での回顧録を84年に出版した。その後、日本での生活の回顧録も準備したが完成せず、ニースで没した。
旧幕府側に肩入れするロッシュは神戸事件当時、各国外交団のなかで孤立していたようだ(遠い崖/6、ページ220前後などいくつかの資料がある)。
【参考資料】