少し残念だったが、ほっとする気持ちの方が大きかった。嘘ではないが誇大広告に近い履歴書を書いた。なにせ十年前の知識と経験である。必死で勉強しないといけないと思った。昨年少し働かせてもらった職場に行く前は、晩酌を止めてオフィス(outlook,word,excell)の復習をした。今回もし採用されたら、しばらく晩酌中止だな、と思っていた。
もうひとつひっかかったことがあった。僕の老後のテーマの一つに弱視者が読みやすいホームページの問題がある。弱視者のためのタブレットを使った読書支援に関する講演が県立図書館であった。何かヒントが得られるかも知れないと思って参加した時、顔見知りの県立図書館員に会った。忘れていたが、十年ほど前に、その人にクレームをつけたことを思い出した。嫌な爺だと思っているだろうな、と思った。相手は忘れているかもしれないが、そう思いながら一緒に仕事するのは嫌だな、と感じた。クレームには僕なりの理由があるのだが。まあ、面接にも届かなかったので心配する必要はなかった。
これで七十歳での図書館アルバイト応募の体験記は終わりである。この経験を通じて今まで気づかなかったことを記す。