日置帯刀摂州神戸通行之節外国人江発砲之始末書22

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日置帯刀摂州神戸通行之節外国人江発砲之始末書の22ページめ

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*** 解読文 ***

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即今不可謂多難之御時節、些少
之事件より御安危ニ相拘り、大害をも
可醸出、別て如何之至ニ付、公論決定
叡断之上、発砲号令之者、罪科ニ被処
候ニ付、早々可差出被仰付候条
皇国之大事を体認し、可奉安
宸襟候事
二月

 別紙[注①]
御官名家来
日置帯刀
神戸通行之節、行列へ立障り候由ニて
英人へ兵刃を加へ、剰逃去候亜仏人並
公使へ及砲発、理非之応対ニも不及如何ニも
妄動之所為、不届之至ニ候、即今更始
御一新、国事多難之折柄、深被為悩


【注①】『宇内之法によって処断、発砲号令之者の割腹、罪科人氏名の提出』を命令する通達。本文書三十五頁に同文がある。復古記第一冊巻二十七ページ七九〇から七九一および大日本外交文書第一巻第一冊一二七ページ三〇三から三〇四に収録されている。 次の解読文へ

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*** 口語文 ***

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現在の筆舌に尽くしがたい多難の時期に、些細な事件から、国家の安危に係わる大害をも引き起こし、例のないような大事に至ることがある。
 そのことを踏まえて議論をまとめ、天皇のご判断を仰いだ上、発砲を号令した者を処罰されることになった。ついては、早々に差し出しすよう仰せ付けられた。そのことが、皇国の大事であることを十分に認識し、天皇のお心を安んじ奉るべきである。
  二月

  [〇岡山藩内の通達・別紙(宇内之法によって処断、発砲号令之者の割腹、罪科人の氏名の提出の命令)]
 別紙
備前少将家来 日置帯刀
 神戸通行の際、行列を邪魔したということで、英人に兵刃を加え、その上逃げる米人・仏人および公使へ発砲したことは、理非を考えるまでもなく、いかにも分別を欠いた行為であり、不届きの極みである。目下、更始御一新により国事が多難な折、深く天皇の御心を悩まさせ、


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