日置帯刀摂州神戸通行之節外国人江発砲之始末書23

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日置帯刀摂州神戸通行之節外国人江発砲之始末書の23ページめ

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*** 解読文 ***

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宸襟、就中外国御交際之儀ハ
御国体ニ相拘候重大之事件ニ付
宇内之公法ニ基き、不損
皇威、至当之筋御履行可被遊
思召之処、御時節柄を不奉顧、却て
御恥辱を醸候義、重畳不容易
罪科ニ付、発砲号令之者、各国見証を
受、可致割腹旨被
仰付候事
但罪科人体、明三日ヨリ五日[注①五ヶ日カ]を限り、兵庫
表へ護送致、外国事務掛
之者へ可申出候事
二月
一 右夫々組支配へも申聞候様、小仕置より頭々へ申移

二月廿三日
一 太政官代へ重役御呼出ニ付、高木右門罷出[注②]


【注①】大日本外交文書/第一巻/第一冊/一三一に同文があるが、そこでは『五ヶ日』とある。その方が意味が通る。
【注②】岡山藩主に対して、謹慎に及ばないとの通達。本文書四十一頁に同文。
 これに先だって二月十九日、『深く謹慎罷在候間、此上何分之御沙汰奉伏願候』と上申(大日本外交文書第一巻第一冊一七一ページ四一二)したものへの回答である。
 なお岡山藩主池田茂政は二月十五日致仕を願う上申書を提出している。(復古記第二冊巻三十六ページ四二〇)。 次の解読文へ

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とりわけ外国との交際に関することは国家の根本に関わる重大な事件なので、世界の公法に基づき、皇威を損なわなず、最も適切な方法で履行されるべくお考え遊ばされているところである。その時節柄も顧みず、却って天皇に御恥辱を与えかねない状況を作りだしたことは、重ね重ね容易ならざる罪である。故に、発砲号令の者を各国の検証を受け、割腹致すべき旨仰せ付けられた。
但し、処罰を受ける者を明日三日より五日以内に兵庫表に護送致し
外国事務係の者に申出るべきこと。
二月
一 以上のことは、それぞれ組の配下の者達へも申し聞かせるよう
小仕置より頭に申し伝えること。

  [〇岡山藩内の通達・別紙(藩主が謹慎に及ばないとの通知)]

一 太政官代へ重役が呼び出されたので、高木右門が参上した


【人物】
 高木右門

【補注】
 小仕置: 番頭格。仕置(家老格)、中老、城代に次ぐ役職。(岡山藩、ページ六十八) 次の口語文へ

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