一 同廿九日太政官代より御達[注①]
備前
兵庫港発砲之一条、外国人より申出候趣ニてハ
各国公使館ニ向て弾丸ヲ飛候哉ニ相聞
其藩より之書付、右之境相分不申候間、其節
之始末、今一応委敷書付ヲ以可申出事
右ニ付二月朔日左之書付差出[注②]
兵庫港発砲之一条、外国人より申出候趣ニてハ
各国公使館ニ向て弾丸ヲ飛候哉ニ御聞
込ニ相成、先日差出候書付と右境相分
不申候間、其節之始末今一応委敷
以書付申上候様御達之趣、奉承畏候、然
ル処、右之事情ハ、先般奉申上候通
先手銃隊中之儀ニて、於私ハ前後相
隔、巨細之儀目撃不仕候へとも、元来
不慮之事より差起り候義ニて、公使館ヲ
[〇公使館への発砲(問い合わせ)]
一 同二十九日太政官代より御達し
備前
兵庫港での発砲事件に関して外国人からの申出によれば各国公使館へ向けて弾丸を飛ばせたのではないか、と聞いた。該当の藩からの書付けでは、その状況がはっきりしない。その際のいきさつを今一度詳しく文書を以て報告すべきこと。
正月二十九日 刑法局より
二月二日
[〇公使館への発砲(回答)]
右についての二月一日の書付
兵庫での発砲の件につき、外国人が申出たところによれば、各国公使館へ向けて弾丸を飛ばせたのではないか、とお聞きになり、先日差出しました書付けでも、その状況がはっきりしないので、その際のいきさつを今一度文書を以て詳しく報告せよとのお達し、まことに畏れ入って承りました。
しかしながら、その事情は、先般も申上げましたとおり、先手の銃隊については、私は前後隔たっておりましたので、詳しくは目撃出来ておりません。ですが、元来思いもつかない事態から起きたのであって、公使館を