日置帯刀摂州神戸通行之節外国人江発砲之始末書35

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日置帯刀摂州神戸通行之節外国人江発砲之始末書の35ページめ

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宸襟候事
二月

備前少将家来[注①]
日置帯刀
神戸通行之節、行列へ立障り候由ニて
英人へ兵刃を加へ、剰へ逃去候亜仏人並
公使へ及砲発、理非之応対ニも不及如何
ニも妄動之所為、不届之至ニ候、即今更始
御一新、国事多難之折柄、深被為悩
宸襟、就中外国御交際之儀ハ御国
体ニ相拘候重大之事件ニ付宇内之公
法ニ基キ、不損
皇威至当之筋御履行可被遊
思召之処、御時節柄ヲも不奉顧、返て
御恥辱ヲ醸候義、重畳不容易罪科
ニ付、発砲号令之者、各国見証を請、可


【注①】『宇内之法によって処断、発砲号令之者の割腹、罪科人の氏名の提出』を命令する通達。本文書二十二頁に同文がある。復古記、大日本外交文書にも同趣旨の文がある。二十二頁注①を参照。 次の解読文へ

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*** 口語文 ***

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  [〇宇内之法によって処断、発砲号令之者の割腹、罪科人の氏名の提出を命ずる]
備前少将家来 日置帯刀
 神戸通行の際、行列を邪魔したということで、英人に兵刃を加え、その上逃げる米人・仏人および公使へ発砲したことは、理非を考えるまでもなく、いかにも分別を欠いた行為であり、不届きの極みである。目下、更始御一新により国事が多難な折、深く天皇の御心を悩まさせ、とりわけ外国との交際に関することは国家の根本に関わる重大な事件なので、世界の公法に基づき、皇威を損なわなず、最も適切な方法で履行されるべくお考え遊ばされているところである。その時節柄も顧みず、却って天皇に御恥辱を与えかねない状況を作りだしたことは、重ね重ね容易ならざる罪である。故に、発砲号令の者を各国の検証を受け、


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