織部殿被相渡候、仲間へ伝達、組支配有之者無施可申聞
との御事ニ候
二月九日
右四通惣御触ニ相成

先般於神戸外国人之[ト]行縺一件、於　朝廷御引取、宇内之公
法を以御処置ニ相成、終ニ罪科ニ被処候義ニは候得共、全く
皇国之大事を体認し、可奉安　宸襟との重き
勅命も有之候御事故、第一ハ朝廷之御為、次ニハ備州之為
帯刀之為を思ひ、聊も忿怨を不狭[挟]、従容就死之程頼ミ
思ひ候、跡式之義は深き趣意も有之、格別ニ取立遣候間
是又掛念致間敷、実ニ馬前之討死ニも相勝り、忠臣と可申
一入憐ミ思ひ候（此分御触ニてハ無之）

善三郎割腹所へ罷出申演之趣
去月十一日神戸通行之節、外夷ヨリ無法之所業ニ及候ニ付、無拠
兵刃を加へ、則乗其挙発砲号令致し候者拙者也、然ル処今
般　王政御復古更始御一新之折柄、宇内之公法を以御処置
被遊割腹被　仰付候ニ付、則割腹致候、御倹[検]証可被下候
　きのふ見し夢は今更引替て神戸の浦に名をやのこさん
　今ははや森乃日陰となりぬれと朝日に匂ふ倭魂
辰二月六日瀧善三郎正信辞世　三十二才

先達御触達有之候、日置帯刀殿神戸通行之節外国人と行