宸襟との深重之
勅意も有之事故、唯々
御奉命之外、不被為在と於一同も
奉恐入候儀ニ御座候、勿論神戸之
一挙不慮ニ起候とハ乍申
尊攘之
御趣意漸漬致し、従来之意気地
不可止之場合と、御推察思召候得共
朝政御一新御多慮之折柄、鎖細之
事よりして大害を醸候ては、弥以、被為対
朝廷御恐悚ニ不被為堪候ニ付、断然
既往之是非を御廃棄ニ相成、将来之
御国論、時勢適当之御所置速ニ
天朝へ被為伺、御確定之上は追々被
仰出候義も可有之候、就ては今般之解死人も
於情実ハ被遊
との重大な勅意もあり、唯々御命令を遵守するほかはない、と一同(藩の首脳)も恐れ入り奉っていることである。
勿論、神戸の一挙は思いもかけず、起きたことだと申しながら、尊皇攘夷のご意志が次第に浸透し、従来の気構えからはやむを得ない場合であると、ご推察された。しかし、朝廷の政治向きが一新され、御多慮のこの時期に、些細のことをきっかけにして、大害を引き起こしては、いよいよもって朝廷に対し恐縮し、堪えることがおできにならない。
そのため、断然従来の是非をお捨てになり、将来の国論(および)時勢に適切な処置を迅速に朝廷に伺われた。結論が下されたからには、追々仰せ出されることもあるであろう。就いては、今度の下手人も気持ちの上では