日置帯刀摂州神戸通行之節外国人江発砲之始末書20

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日置帯刀摂州神戸通行之節外国人江発砲之始末書の20ページめ

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相伺候処、実ニ其辺被為悩
叡慮候義ニ御座候、就ては彼是事情
言上も仕候上、如此
御叡断御沙汰ニ相成申義ニ有之、
実ニ如此立至り候も全く
先帝攘夷之
叡慮、御名ニおゐて深く遵奉し
居申ニ付、其旨士民迄も徹底し、彼を
悪居申候処より、此度之 一挙ニも立至り
候義と、深く御酌取被遊、御感心之
事ニ有之候、乍併形勢一変致
居申義ハ素より承知之事ニ候得共、
往古は三韓有るを知て萬国有るを
不知、然ルニ当今萬国並立候上ハ
同く目[注①日カ]下之民ニ有之候間、彼之四方之
国を以、我九州、四国抔之如く見申


【注①】井上金蔵日記三頁、岡山藩士日置帯刀従者於神戸 外国人に対し発砲始末(吉備群書集成(五)一二七ページ)では『日』であり、この方が意味が通る。 次の解読文へ

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*** 口語文 ***

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伺ったところ、実にそのことをお悩みになり、お考えになられていた。それで、いろいろ事情をご説明し、このような御叡断の御沙汰になることになりました。
 実に、このような状況に立至ったのも、まったく先帝の攘夷の叡慮を、その御名において深く遵奉した結果、その士民までにも徹底し、異人を憎んでいるところから、この度の一挙にも至ったのであろう。そう、深くお酌み取り遊ばされ、感心されている。
 しかしながら、状況は一変した。そのことはもとより承知のことであるが、古い時代は、三韓があることを知って、万国があることを知らなかった。しかし、現在では万国が並び立ち、同じく日のもとの民であるとすれば、彼ら四方の国を我が九州や四国のように見る


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