起候義ニ付、帯刀義ハ山手へ引揚物分レニ相成申候
右ニ付同月十四日左之通御届
此度西之宮御警衛被仰付候付、人数出張為[注①]
致候処、去ル十一日家老日置帯刀同勢召連摂
州神戸町通行之砌、外国人より理不尽之所業
有之候処より、互に及発砲候段申越候、委細
之儀ハ帯刀より可申上候へとも、右之趣、不取敢
御届申上候、以上
正月十四日備前少将
右ニ付、京都詰合之者共太政官代御役員へ此[注②]
度之事件ニ付、外国人ト応接之義、於当藩
取計可申哉之段、奉伺候処、此度ハ於
政[朝カ]廷御取扱相成候間、此旨御受致候哉御尋ニ付、
早速国元へ申遣候
一 正月十九日於京都長谷三位殿より左之通御達[注③]
日置帯刀
起こったことなので、帯刀は山側へ兵を引揚げ、そのままになった。
これについて、正月十四日に次の通り御届
[〇岡山藩主からの報告]
この度、西宮の警衛を仰せ付けられたので、部隊に出陣させました。その後、去る十一日に家老日置帯刀が一隊を引き連れ、摂州神戸町を通行していた際、外国人が理不尽の行動をしかけて来ましたので、お互いに発砲するに至ったと報告してきました。詳細は帯刀から申上げるべきですが、以上のことを取り敢えずお届け申上げます。
正月十四日備前少将
[〇外国人との折衝を朝廷が行うことを岡山藩受諾の確認]
このことにつき、京都に詰めていた者達が、太政官代のお役員へこの度の事件について、外国人との殺生を当藩で取り計らうべきか伺い奉ったところ、この度のことは朝廷が取り扱うことになった、このことを(岡山藩は)受諾するかどうかお尋ねになったので、早速国元に申し遣わしました。
[〇日置帯刀呼出]
一 正月十九日、京都に於いて長谷三位殿より次の通りお達し
日置帯刀