日置帯刀摂州神戸通行之節外国人江発砲之始末書31

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日置帯刀摂州神戸通行之節外国人江発砲之始末書の31ページめ

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*** 解読文 ***

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逃去、其侭追掛候処、裏口より供先ヲ浜手へ相
廻り申候、先手銃隊とも右之挙動ヲ見請、直ニ
摶出候ニ付程々[注①精々]相制候内、彼も浜手より及発
砲候付、一先人数ヲ山手へ繰込見合候内
外国人共更ニ銃卒押出し、頻ニ搏掛候ニ付
尚又此方よりも及発砲申候、尤右は不慮
之儀より差起り、此上大事ニ立至り不申候様
早々人数引揚申候、以上
正月備前少将家来
日置帯刀

一 同廿二日[注②]
過日於兵庫表、外国人と行違之儀ニ付、応
接之儀、奉伺候処、此度ハ於
[朝カ]廷御取扱ニ相成候
御裁許之義ハ公法ヲ以被処候
思召ニ被為在候間、御請之義申上候哉と御尋
之趣、早速国元へ申遣候処、奉畏候元より於


【注①】当文書二頁では『精々』、こちらの方が意味も通る。
【注②】公法によって処断するという政府の方針を岡山藩が受諾。藩情説明が続く。大日本外交文書に同文あり(第一巻第一冊一一八ページ二八七一月二十二日(二月十五日)岡山藩士澤井宇兵衛ヨリノ上申書 神戸事件朝廷ニテ御処置相成旨御請ノ件)。 次の解読文へ

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逃げ込みました。追いかけたところ、裏口から隊列の先頭を浜側に回りました。
 先頭の銃隊の者たちが、この挙動を見て、直ちに発砲したので、一生懸命制しているうちに外国人も浜側から発砲に及んだので、ひとまず隊を山側へ向わせ状況を見ていたところ、外国人はさらに銃隊を繰り出し、しきりに撃って来たので、こちらからも発砲に及びました。
 しかしながら、このことは予定外のことから持ち上がったことなので、これ以上大事にならないように早々に隊を引き揚げました。
正月備前少将家来
日置帯刀

  [〇公法によって処断するという政府の方針を岡山藩が受諾]
一 同二十二日 過日兵庫表で、外国人と行き違い争いとなった件について対応を伺い奉りましたところ、この度は朝廷がお取り扱いになる。御裁断は公法を以て、処理なされるお考えであられる。このことを受諾すると申上げるか、とのお尋ねであることを早速国元へ申し遣わしたところ、畏れ奉っております。元より


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