右之段御届奉申上候、以上
二月十三日備前少将内
澤井宇兵衛
右割腹之節、瀧善三郎口演[注①]
割腹之席ニ臨ミ左之通
去ル十一日神戸通行之節、夷人より無法
之及所業候処より、無拠加兵刃、即乗其挙
発砲号令之者拙者也、然ル処今般
王政御復古更始御一新之折柄、宇内之
公法ヲ以て
御処置被遊割腹被
仰付候付、則割腹致し候、御検証可
被下候
一 同十九日左之通差出[注②]
先般私家来日置帯刀義、神戸町通
行之節外国人へ対し、発砲等仕候次第
不届被
右のことをお届け申上げ奉ります。以上
二月十三日備前少将内
澤井宇兵衛
[〇瀧善三郎が切腹に際して発した言葉]
先に述べた割腹の際、瀧善三郎が発した言葉
割腹の席に臨み次の通り
去る十一日、神戸通行の節、外国人が無法の行為に及んだので、やむを得ず、武器を持って攻撃し、その時、そのままの勢いで発砲を号令した者は私である。その結果、このたび、王政復古により政治向きが一新され、宇内の公法をもって裁かれることになり、割腹を仰せ付けられた。すなわち、ここに割腹する。とくとご検証いただきたい。
[〇岡山藩主の謹慎伺]
一 同十九日、次の通り差出
先般、私の家来、日置帯刀が、神戸町通行の際、外国人へ発砲等したことを不届きに